骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは?

長年の生活習慣などにより骨の量が減ってスカスカになり、骨折をおこしやすくなっている状態、もしくは骨折をおこしてしまった状態のことをいいます。古くは古代エジプト文明時代からある病気なのですが、近年寿命が延び、高齢者人口が増えてきたため、我が国では「1200万人まで増加する」とされ、特に問題になってきています。

骨粗鬆症はどうして問題となるのでしょう?

骨粗鬆症イメージ

我が国では寝たきりの原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨粗鬆症による骨折であることから、高齢社会が抱える問題の一つとなっています。
骨の構造から見ると、皮質骨よりも海綿骨で骨の量の減少が明らかです。海綿骨の量が減ると、複雑にからみあったジャングルジムのような網目構造がくずれて、あちこちでジャングルジムの「棒」(骨梁:こつりょうといいます)がなくなっていくので、骨が弱くなるのです。粗(そ)は”あらい”という意味です。鬆(しょう)は”す”とも読みます。つまり”す”のはいった大根のように内部があらくなった状態をさします。

骨量が2〜3割も減り、骨の構造が弱くなって、その結果として骨折を起こしやすくなった状態になります。 骨量の減少は、おもに骨の中のカルシウムの減少でもたらされるものです。 

どうして骨粗鬆症になるのでしょう?

骨は固いので、一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。
これを骨代謝といいます。 ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。 人が生きている限り、骨も生きているのです。
骨には二つの役割があります。一つはご存知のとおり人体という建造物を支える柱の役割です。そして、もうひとつ大切な働きがあります。 骨はカルシウムの巨大な貯蔵庫です。血液中のカルシウム量は骨に比べるとごくわずかですが(人体中のカルシウム量の1%)、これを一定に保たないと、生命の維持に必要な心臓や脳が正常に働かなくなります。そこで、食事中のカルシウムが不足すると、不足分を骨から取り出して、血液中のカルシウム量を一定に保とうとする働きがおこります。カルシウムをいつも骨から取り出している状態が続くと、骨のカルシウム量、すなわち骨量が減少して骨粗鬆症になります。
石のように硬く見える骨も実は新陳代謝を繰り返しています。つまり、古い骨を壊し、新しい骨を作るというサイクルを繰り返し、骨のしなやかさや強さを保っているのです。これを骨のリモデリング(再構築)と呼びます。
このリモデルリングには、「破骨細胞(はこつさいぼう)」と「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が重要な働きをしています。
それぞれが、破骨細胞:古くなった骨を溶かしていく(骨吸収:こつきゅうしゅう)
骨芽細胞:破骨細胞によって溶かされた部分に新しい骨を作り修復する(骨形成:こつけいせい)
という役割を演じています。

どのような人が骨粗鬆症になりやすいのでしょう?

骨粗鬆症は女性に多くみられる病気です。これは女性のほうがもともと骨が細いうえに、閉経によって骨が溶けるのを防ぐ女性ホルモンの分泌が減るためです。卵巣の摘出手術によっても骨は溶けやすくなります。

骨粗鬆症の危険因子といわれるものには、
(1)遺伝に関係するもの
(閉経の時期、痩せ型、家族歴)
(2)生活のしかたに関係するもの
(偏食、運動不足、アルコール・コーヒーの多飲、喫煙、日光照射不足)
(3)病気に関係するもの
(胃切除、糖尿病、 甲状腺機能亢進症、 高カルシウム尿症、副腎ステロイド投与、原発性副甲状腺機能亢進症、腎不全)
などがあげられます。